「負けヒロインが多すぎる!」のアニメを見て、すっかりはまって原作も全部買ってしまってる訳だが……取り敢えず、アニメ版の範囲でのキャラへの印象を書いてみる。気持ちに関する部分は原作の補完(部誌とか)も入れつつ、かな。アニメだと結構カットされてるから、そこは補完しながら見てた面もあるし、そういう見方で。
温水和彦
敢えて3マケインからでなく、ぬっくんから(笑)。
独りが平気な子、という事だし、実際ある程度耐性もあるんだろうけど、別に人がいてもやっていける子なんじゃないかなって思う。ただ、基本、佳樹とラノベだけで人格形成してきてるから、そういう環境が平気でありつつも、友達付き合い多い人達と比べると、やっぱり少しズレてしまってる。人の気持ちを考えるという事がラノベベースなんだろうな。だから「そういう所だよ、温水君」って八奈見さんに言われる訳だし(笑)。
それでも、別に人嫌いって訳でもなく、読んでるラノベだって、人がいっぱい出て来てわちゃわちゃやってるモノが多いって事は、そういう世界が嫌いじゃないと思うんだよね。実際、そういう視点でマケイン達を見ていたのに、関わる事になっていったら少しずつ寄り添っていけるようになってるし。
その踏み込まないで横にいるっていう距離感が、失恋したばかりのマケイン達には居心地良かったのかなって思ったり。幽霊部員だったのに文芸部の部長になる辺りなんて、完全に小鞠の事を思っての行動だった訳だし。これ、もしも最初期の頃だったら、辛い気持ちにはなっても、距離を取ったままで助けてあげられなかったんじゃないかなって思う。八奈見さん、檸檬、小鞠と立て続けに失恋しくところに立ち会って、横にいて話を聞いてって中で少しずつ変わっていったんじゃないかなと。後は迷コンサル八奈見さんがあれやこや言い続けてる事が少しずつ影響していたんじゃないかなぁって。
ぬっくんへの矢印があるかないか議論が良く出るけど、そもそも失恋したてだし、それを横で見てたし、ぬっくんは自分に矢印が向くとも思っていないだろうなと。そしてもし向いていると思ったとしてもこの子の性格からして、自分からどうこうする事は無いと思う。相手の事を思ってやった事でも、それで関係が断絶される事もあると、八奈見さんのお弁当の時に体験してるからね。あれはもうトラウマじゃなかろうか。独りで平気だった筈の自分があれだけショックを受けたという事が、ぬっくんの中では大きな影響を与えていると思うし。少なくとも八奈見さんに対して自分からもう動けないんじゃないかなと思ってる。
まあ、3マケインから見た場合、辛い時に横にいてくれた男の子っていう所から、少しずつ性格も分かっていって、ここぞって時には動いてくれるし見捨てないっていう安心感があるんじゃないかな。それが恋愛感情かというとまた別な気がするんだけどね。
小鞠知花
アニメ11話の印象が凄く残ってる小鞠ちゃん。ぬっくんから見たら、本が好きでボッチで、こっち側だと思っていた訳だけど、実際は好きでボッチなわけじゃなく、人との繋がりが凄く大事な子だった訳で。でも、人と話すと緊張してどもってしまうし、いっそスマホで文章打つ方が早いししっかりと気持ちも出せる。
3マケインの中で一番勝ち目が無くて、でも、唯一真っ正面から告白した子だというのも印象深い。文芸部で3人でいる事が学校を楽しいものだと思わせてくれて、だからこそ文芸部が一番大事だったのに、それをぶち壊しても気持ちを伝えたかった訳で。それをやってのけたからこそ、10話、11話の小鞠ちゃんが可愛い。
アニメ効果凄いなぁと思ってるんだよね。原作で読んでる限りではそういう想いが強くて、それをやってのける強さもあるけれど、基本はコミュ障でぬっくんにだけは毒吐いてるんだよね。私、毒吐かれるの苦手だから、「死ね」とかいう小鞠ちゃん、あまり好きじゃなかったんだけども、アニメの小鞠ちゃんは凄く可愛く描かれてたなと。絵もだけど、感情の動きや表情や声や……これはアニメという場だからこその見せ方だし、それがはまって凄く良かった。
でもこの子のコミュ障は治す治さないってレベルじゃない気がするし……ぬっくんみたいな男の子が横にいてあげたら良いんだろうなって思う。3マケインの内、残り2人はカースト上位の陽キャラだから、色々な人との出会いもあるし、そこに可能性は色々あると思うんだけど、この子は……なかなか厳しそうだからね。恋愛的な意味じゃなくてもずっと一緒にいてあげられたらこの子は嬉しいんじゃないかなって思う。
焼塩檸檬
個人的には3マケインで一番好き(笑)。明るく元気な女の子。健気で嫌みな所も無く、凄く純粋で良い子。出番としては一番少ないし、ぬっくんとの関わりも当然時間面で見ると少ない筈なんだけど、この子の話がいつも重い。失恋した時も文芸部皆で押しかけていって、そしてぬっくんが話を聞いてあげる流れ。ちょっと悪い事を考えただけで、自分が悪い子だって泣く檸檬は良い子だよなって思う。純粋だからこそ想いもまっすぐで、だからこそ悪い事に対して心から悲しむ訳で。でも、この悪い事を想った事も本心で、悪い子だって泣きながらも、それでもちょっとそうなったらって思ったりしてたんじゃないかなって。
後、アニメでは全部カットされた部誌のこの子の詩は全部好き。凄く子供っぽいというか純粋な単純なその時のその気持ちを言葉にしてるなぁって。純粋な小さな子供を見ていてふと涙ぐんじゃう時のような感じを受ける。
ぬっくん呼びもそうだけど、普通にぬっくんの事を良い奴と思ってるだろうし(初期は誤解していたが(笑))、でも、女の子の気持ちが分からないという事も分かってて、アニメの範囲では分からないままだけど、原作は同じようなシーンでちゃんと意味が分かって対応するぬっくんが成長したなぁと思うと同時に、檸檬ちゃんから見てのぬっくんが少しは変わって見えるのかなとも思った。たまたま性別が男ってだけの普通に仲の良い友達から異性として見れるのかと。この子は二期があると一気にまた凄いターンが来るから、やってほしいんだよなぁ。
八奈見杏奈
4Kラッコという可哀相な呼ばれ方を(ぬっくんの心の内で)されている多分メインマケイン(笑)。この子はもう完全にカースト上位の陽キャラだし、その分人の気持ちも良く分かるし対応も出来る。
そもそも4Kだって相当綺麗だからね。8Kが出て来たからその差が分かるけど、そもそも4Kに例えられる美貌は十分高レベル。ラッコの例にしたって、可愛いって表現がついてる訳だからねぇ……1日に体重の20%の量の食事をするっていうのが問題なだけで(笑)。
アニメではひたすら食べてたな。原作でも食べてたけど。人の物を奪って食べるのはどうかと思うし、そもそも食べ過ぎだろうというのと、謎ダイエット理論は一体何なのか、そしてそれでもあまり太らないのは何故なのかとその理不尽さにちょっと好感度が下がった(笑)。
12年の片思いというか幼なじみをポッと出の8Kヒロインに奪われるし、そもそもその溜めに背中を押したのが八奈見さん自身だし、それでいてずーっと引っ張ってるし。アニメでは部誌が無い分、八奈見さんの気持ちの変化が分からないんだよね。部誌は、アニメ範囲を超えた辺りからちょっと内容が変わってくるし……アニメの範囲ではまだ特にぬっくんへの矢印は無いんじゃないかと思う。
でもまあ、メイン回じゃなくても大体ぬっくんの隣にいて、何かを食べつつ訳の分からない事と言いつつ、ポイントポイントではきちんとアドバイスしてるんだよね。個人的にはアニメ10話でカットされた原作のシーンが凄く印象深くて。小鞠ちゃんを傷つけて泣かせる事を言ってしまってベンチに座り込むぬっくんの横に座って「私に何かできる事ある?」と聞いて、首を振ってそのまま俯いて考え込んでしまうぬっくんの横に黙って座っていて、長時間経ってぬっくんが顔を上げたら黙って横に座ってくれている八奈見……このシーン凄く好きだったんだよなぁ。ああいう事ができるぐらいにぬっくんのことを理解して寄り添ってあげてるんだよね、この子は。
しかし、この子は自分でハードル上げまくってるんだよなぁ。ぬっくんが悪いにせよ弁当絡みでは口を利かない状態になってたしなぁ。草介の無神経な言葉に切れたぬっくんがむせるまで怒って感情ぶちまけるというあたり、ぬっくんだってもう友達ぐらいの心の距離になっていたんだよなぁって。本来、独りが好きで別に誰かと話をしなくっても気にしない筈だったのに、思い切り気にしちゃってるし。その後、ぬっくんが「友達になってくれ」と言って初めての友達になるんだけどなぁ。告白してくると思って「友達から」とか言っちゃうし、「ようこそ振られ人の世界に」とか自分を意識してるんだろ的な事言うし。その後も「いいよ、告白しても 断るけど」とか言うし。どうして、珍しくぬっくんが心の距離を縮めてきているのに、自分でそれを壊すんだ(笑)。
なんか主人公と3マケイン書いてるだけで長くなった……志喜屋さんとか佳樹とかについても書きたいけど、また別で書けたら書くって事で。
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