アニメで見てから漫画を買った流れ。アニメを見ていて、可愛いなぁって。続きが見たくて漫画を買ったんだよ。そして最終巻となる12巻は特装版で買ってしまった(笑)。
この手の中高生ぐらいが主人公の恋愛漫画って、何か特別な個性があるとか、癖が強かったりとか、まあ、そういうキャラ付けがされてるんだけど、この漫画はタイトルの通り、ヒロインの三重さんがメガネを忘れるって以外は特にないんだよね。特殊能力も無いし。
そんな三重さんを好きになった小村君が頑張る……訳でもない。自己肯定感が低くて、告白する勇気も出ない。でも、少しずつ毎日の関わりの中で距離を縮めていって、周りからしたらもう付き合ってるんだろうってぐらい仲が良いのに踏み出せない。結局、告白するのって10巻だもんな。
その頃には三重さんも小村君の事を好きになっていて、自分から言いたくて一度は小村君が言うのを遮っちゃって……それが小村君を傷つけたと思って泣きながら会いに来ようとしてるのも純粋で可愛いし、メガネを忘れた三重さんに対して、きちんと自分の顔を見て貰って言葉を伝えたいって言う小村君も頑張ってるし、凄く良かった……まあ、その翌日にメガネ壊してメガネ無しで来る三重さんが
「私はどくずです」
ってなってるのは笑ってしまったけど(笑)。
(よかった 俺が悩んできたことが全部 俺と三重さんのための答えになるんだ)
10巻かけて培ってきた二人だからこそ、だよねぇ。
告白して、三重さんも告白し返して、三重さんが抱きついてきて、二人で泣いてるの。いいよなぁ。本当に子供と大人の間の頃の世代の感受性が豊かな頃だから、こうなるんだよなぁって。
そこからの三重さんの抱きつきラッシュが凄かった(笑)。事ある毎に抱きついてくるし、そのたびに小村君は崩れ落ちるし(笑)。
この漫画は、大人も良いなって思う。小村君は親が離婚していて母親と二人暮らしだけど、この母もまた良い人だったな。ちゃんと息子を見てるし、ここぞって時はしっかり息子を応援して立ち上がらせる言葉をかけてる。三重さんの両親も娘が大好きで愛情注いで、仲良しである小村君についてもきちんと見てあげてるし、小村君のお母さんとも仲良く話してる。お父さんなんて変な対抗心はあったりするけど(笑)、小村君にとても優しいし、幸せにしてやってほしいって思ってる。愛情たっぷりの親だよね、両家共。小村君の脳内ではお父さんが抑止効果となっていたのが、後半は実際に会ってしまってるから抑止効果を失っていくのが面白かったけど(笑)。
お父さんとのやり取りで好きなのが、初日の出を見に行く時の車内の会話(11巻)。
「幸せにします 三重さんのこと も もし付き合ったら……」
「そうだね」
「お 重いですかね俺…」
「いやいや~あいのこと軽く考えちゃ承知しないよ
ハ~…
ありがとねえ」
この「ハ~…」がね。お父さん、小村君を彼氏として元々良いって思ってたんだろうけど、ここで本当に踏ん切りというか認めたって感じなんじゃないかと。
まあ、このやり取りを、寝てると思っていた三重さんが実は起きてて聞いてたってのも好きなんだけど。海で初日の出見ながら二人で付き合ってる事を報告した時も、
「…え~~っ!」
「あ えっと そ そうだったのね~…」
親もとっくに付き合ってると思ってた反応だよな(笑)。でも、ちゃんと初めて気づいたよ的な反応してくれるご両親、優しい。
そしてここからの12巻(前振りが長かったな……)。
名字じゃなくて名前呼びに挑戦したり、東君の恋愛事情を応援したり、メガネにキスしたり……ここは可愛かったし、一歩進んだなぁって。これがあって、三重さんの受験・合格があって、小村君の受験の日の朝の験の悪い事悪い事……でも、そこからの三重さんが来てくれて祝福でおでこにキスしてくれて。いや、もう良いじゃないですか。
受験も終わって、二人でピクニック行って、寝てる三重さんの頬にキスしちゃったりして。でも、実は三重さんも寝てる小村君の頬にキスした事があるってカミングアウトがあって……(笑)。
「大好きって思ってくれて 伝えたくてしてくれたんでしょ?」
三重さんの言葉にする力って高いよね。
「大好きって…何回言っても言われても 何回でもうれしいね」
なんかさー二人で観覧車乗って、初恋同士だって分かって、気持ちも高まって……
(ちゃんと伝えられるかな 大好きですって)
小村君も高まった気持ちをキスして伝えて……15歳でファーストキスかぁ。何気に手をそっと添えてる三重さんが可愛いなぁって。まあ、その後は二人共真っ赤な顔して会話もなく歩いてて、一杯一杯だなってのも可愛いんだけど(笑)。
その後は互いの高校の制服の見せ合いっこ。二人で写真撮って……確かにちょっと大人っぽく見えるね。良い雰囲気で、でも小村君は勇気が出なくて、でも三重さんはスっとキスしてきて(ちょっとズレるけど)……三重さんが非常に積極的。その後に水着着てコート着てくるのは、最早痴女(笑)。
ここで脳内お義父さんを呼ぶ小村君、頑張ったよね、色々な意味で(笑)。お義父さんも脳内お義父さん警察してくれて何とか理性を保ったけど……いやぁ、これは思春期の男の子にとってはギリギリの戦いだったと思うわ(笑)。
そして卒業式の練習と、学校内ツアー。二人の思い出の場所を回っていって……高校で離れ離れになる事で寂しくて泣いちゃう三重さん。そんな三重さんに小村君がかける言葉が格好良い。
「あのね 俺と三重さんはもう人生を分け合ってるから目に見える形がなくても大丈夫だよ」
小村君、成長したなぁ。親目線かもしれない。こんな成長した我が子を見たら泣いちゃう(笑)。ずーっとあたふたしてた小村君が、泣いてる三重さんが泣き止むまで抱きしめてあげて、そしてこの言葉だもの。
そして、メガネへの祝福からキスして……まあ、そこから三重さんのスイッチが入って、三重さんからキスしまくってくる訳だけど。流石に小村君真っ赤になって限界きちゃったな。可愛い可愛い。三重さんって、付き合ってからというもの、抱きつきまくるし、こうやってキスもしてくるしって、かなり積極的なんだけども、肉食系っていう感じじゃなくてただただ素直に大好きって気持ちが溢れてるんだろうなぁって感じを受ける。最終回だってそう。メガネをかけてない三重さんからキスしてきて、でもちょっとずれてて……お互い顔真っ赤で。
12巻は特装版を買ったから、おまけの読切もついていて、「最近の三重さん」が如何にも三重さんで可愛かったり、「みてみて」の小村君が相変わらずで可愛かったり、番外編2で小村君の心の奥底の願望が出て来たり(笑)。
最後に「高校生活」。二人が仲良く続いてるのが嬉しいな。最後に結婚式の二人のイラストで作者コメントってのも良かった。初恋なんて、学生の頃の恋愛なんて、なかなか上手くいかないって思うけど、でも、この二人はこうやって上手くいって欲しいし、きっとあんな感じの二人で進んで行くんだろうなって思う。浮気がどうとかそういう話とかは全然無くて、でも小さな嫉妬とかはあって、時には喧嘩もするのかもしれないけれど、しれっと親からのアドバイスとか気遣いもあったりして、また仲良くやっていって、結婚までいくんだろうなって。
そんなホンワカした優しい漫画だったなって思う。こういう平和な幸せな世界が広がると良いのになぁ。良い漫画をありがとうございました。
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