ジャンプ感想を毎週書いてた時期もあるし、今はclubhouseで感想部屋立てたりしてるし、まあ、ジャンプ好きですわ。そしてハイキューはとても好きな漫画の一つ。その映画版という事で見に行ってきた。なんかね、朝からね、雪が降っててねぇ……どうしようかと思ったけど、来場者特典(早い者勝ち)の33.5巻が欲しかったので行ってきた。

 行って席を取って(この時点では全席空いていたので、ど真ん中の前に少し通路がある広い席を取った)、後はパンフレットでも買おうかなと思ったら売り切れ。見るとハイキューグッズはほぼ売り切れてた。この時点で、33.5巻はもう無いのではという不安に。でもあった。10冊ぐらい積まれてたから、まだいける筈(笑)。

 さて、映画内容の感想だけど、ストーリー自体は原作の通りなので、知っている話。でも、改めて声がついて動いているとじーんとしてしまう。個人的にハイキューって、バレーが好きで頑張ってるんだけど勝てなくて悔しくて1秒でも多くコートに立っていたい、戦い続けたいっていう飢餓感にも似た思いを持つ主人公二人の話と、木兎の名台詞である

「それが、お前がバレーにハマる瞬間だ。」

 これだと思う。本編では月島覚醒に向けてのフリだったけど、月島兄にも、山口の師匠の嶋田もそうだった。その瞬間があって、もうバレーから離れられなくなる。日向だって天辺の景色を見た時、振り下ろした手にボールが当たって気持ち良く打ち切れた時とか、色々あったよね。

 そしてこの映画では、研磨にそのハマる瞬間が来たっていうものだったと思う。「別に」とか「普通」とか言っていた研磨が、いつものように観察し、いつものように策を講じて日向を封じ込めて、でもそれを日向打ち破る。また一進一退の我慢比べとなり、永遠に思うようなラリーを続けていく。そして日向にフェイントからのプッシュでやられた時に、そのまま_| ̄|○みたいな感じでコートに突っ伏して、

「たーのしー」

 それを聞いた時の日向の絶叫、黒尾の大笑い、ゾクゾクきた。知ってるのにね。もう読んで知ってたのにね。でも、やっぱりこのシーンはゾクゾク来た。研磨に悔しいとか楽しいとか言わせたかった日向にとって、試合に勝つ事だけではなく研磨に勝つってのはそういう感情を研磨に持たせる事だったんだと思う。どうでも良い事ではなく、自分の感情が大きく動く事、バレーを楽しいと思う事(だから楽しかったり悔しかったりする)、そうしたかったんだろうし、だからこそこの研磨の言葉で絶叫したんだと思う。

 黒尾もね、隣に引っ越してきてから、ずーっと研磨を巻き込んで(口上手に丸め込んで(笑))バレーをやらせて、一緒にやってきて、でも研磨はそこまで楽しんでないんじゃないかって思ってた所もあるんじゃないかな。勿論、やりたいと全く思ってない訳ではなくて(それは子供の頃のサッカーに呼んでやってくれっていう研磨父への返答で窺える)、やってはいるけど、見てる方が好きだけど自分が誘ってるからかなとかそういう思いもあったんじゃないだろうか。

 だからこそ、試合後の

「はあ~面白かった クロ 俺にバレーボール教えてくれて ありがとう」

 って言葉が出た時に泣きそうになったんだろうなって。嬉しいよね。自分が好きな事に友達を巻き込んで一緒にやってきて、嫌では無いから続いてるんだろうけれど、楽しんで欲しい、好きであって欲しいって思うだろうし。だからこそ、涙が出そうな程嬉しかったんだと思う。そして見ているこっちも泣きそうになる(笑)。

 ストーリーとしては原作通りなんだけど、研磨に寄せてる分、他のキャラの描写はやや少ない(というか、映画だけ見たらさっぱり分からないから、これはファン用だなとは思う)。山口と月島の所ももうちょいあって欲しいけど、それは時系列的に前で終わってるからなぁ。

 そして試合の最後はずーっと研磨視点で描かれる。個人的には、リエーフとぶつかって飛ばされた研磨を心配するリエーフに

「バカ!!!ボール!!!まだ落ちてない!!!!」

 と怒鳴るシーンが凄く印象に残っていたので、ここが研磨の一人称視点で研磨の表情が見えないのは残念ではある。でも、これは既に知っているファンが見に来る映画で、その時の研磨視点ではどうだったか、という見せ方だよね。原作を読んでいれば必死な形相の研磨を知っている訳だから。

 その研磨の視点では、そのラリーが終わって、汗がコートにポトポト落ちて、でもまだ終わらないでほしいと思って立ち上がって視界が少し霞んでて……最後の方なんて影山がサーブ打つ直前まで「ハァハァ」と荒い息が上がってて、でもサーブ打つ時にはそれが消えて……演出が良すぎる。

 映画を見終わって帰宅して、33.5巻を読んだ。最後の描き下ろしはジャンプ本誌で既に読んでたんだけど、改めて映画の後に読むと……終わらないラリーが夢に出る、あの瞬間を思い出す……そうだよなぁって。それだけの思いが残る試合だったんだよなって。

 ハイキューファンのための映画だったとしみじみ思う。だから知らない人には面白くないだろうとも思う。説明不足だから。それは知っている前提の内容だから。でも、私はハイキューファンだから、凄く楽しめた。感想には書いていない所もで何ヶ所かジワーっと来たりしたんだよ。良い映画だったなぁ。雪が降る中頑張って行って良かった! ハイキューが大好きで良かった!