3/25発売の「その着せ替え人形は恋をする 11巻」の感想。感想をバレ無しで書けないので、バレを見たくない方は、この先は読まないでね。

 という事で11巻の最初は、ブラックベリーコスのジュジュ。もう、心寿ちゃんがね、お姉ちゃん好きすぎる。海夢が泣いちゃうのも分かるぐらいジュジュが似合ってるってのもあるんだけどね。そして背が低い人を撮る時の説明……からの危ない絵面(笑)。

 そんなジュジュもコスプレを止めようと思っていたり。年齢の壁なぁ。そんなもん無いとあっさり言ってくれるお姉様方。

「好きでやりたいなら いくつになっても続けていいし 始めてもいいんだよ」

「人生 大人でいる時間の方が遙かに長いのに楽しむ事辞めるなんて勿体ねーじゃんよ~趣味続けるのにな~~~~~んにも気にしなくていいんだぜっ」

 ほんと、良いお姉様方だよ。笑いながら駄目な大人像を見せてくれて、楽しいって思わせてくれて、良いなぁ。涼香さんもみやちゃんも良い大人。駄目を自認していて、でもそれが楽しくて生きてるんだって言い切れるんだから、寧ろ清々しい(笑)。

 さて、海夢側。五条君に告白すると決めてドキドキしまくってるのが可愛いな。1話の頃の海夢はどこへ行ってしまったのか。でもこれはこれで恋する乙女で可愛い。顎クイされて ぞわっドキドキ ってなってるんだからねぇ。変わったもんだ、うん、可愛い。

 あ、そしてまた涼香さん……あまね君の着替えを喜んで見てたり、変態っぷりに磨きがかかりすぎる(笑)。五条君が女装すると思った時の食いつきっぷりとか、もう凄い。

 そしていよいよ棺の合わせ撮影。怖いの苦手なジュジュが可哀相だが、

「私を誰だと思ってるの?」

「? えっと…物凄く有名なコスプレイヤーさ…」

「私は 心寿の姉よ! あんな顔されたら…仕方無かったのよ…やるしかないじゃない…! 私の夢は自分でも…あなたやミヤコさん…他の誰かでも叶えられるけど…」

(お姉ちゃんの『棺』コスみたい!!)

「あの子の言う事は私しか聞いてあげられないの!」

 良いお姉ちゃんだなぁ。我が儘キャラっぽかったけど、結局は純粋な子。やりたい事をやりたいようにやろうとしてきていて、でも妹への愛情がそれに勝るという。

 そして、11巻のクライマックスの一つだと思うアキラと海夢の絡み。まさかのアキラの海夢推し……姫呼びからの愛を語る時のキャラ変といい、やってくれたな(笑)。人間しちゃいけない顔しそうだったから堪えたとか、どれだけ好きなのよ(笑)。それにしてもアキラの姫への想いって、生ホスの麗様推しのエース紬さんと同じ事を言ってるんだよなぁ。麗様コスする学園祭編が大好きだったから、あの時に自分の気持ちに少し目覚めかけていた五条君なら通じ合うモノがあるかと思ったら……まさかの

(姫呼びが引っかかり何も頭に入らなかった)

 っておい(笑)。

 でも、結局、当日会っちゃうし。目が合っちゃうし。アキラさん壊れちゃうし。

「わ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”っ” ほ”ん”と”に”か”わ”い”い”い”っ”!!! か”わ”い”い”っ”!!!!」

「この汚ねぇ声…!!」

「まさか…!!」

 汚い声呼ばわりされる程の心の奥底からのアキラさんの声(笑)。そして推しと言われて大喜びの海夢がツーショ撮って!となって

(自分の人生には良い事なんて起こらないと思ってたの あたしにこんな良い事起こってもいいのかな)

「う うわああああん わああ~ん」

 限界を超えるアキラさん。でもこれも、序盤のコスを続ける話とかと一緒で、楽しい事をやって生きていく事の大事さと繋がるよね。好きな事を好きだと言って、愛でていけば良い訳で。まあ、アキラさん限界超えて泣いちゃって、周りが引き離しにかかるレベルだけど……当人は幸せだから良いじゃないかって思っちゃったけど(笑)。

 ここまでは、なんていうか今迄の「着せ恋」の流れからのものだと思ったんだけど、この後の冬コミに向けてが個人的には不安。あくまでも海夢の願いを叶える為にコス服作ってきて、今回は造形もしたいって話だったのが、司波刻央という単語が出てから五条君の様子がおかしいんだよな。13巻の裏表紙を見てから更に。はまったというのもあるんだろうけど、海夢の為じゃなくて自分の為にやろうとしているのが気にかかるところ。

 確かにハニエルに惹かれる理由の処は、ゾクっとしたんだけどね。

「…ハニエルは下界に落とされてから自分がいる世界なんて無視して…ずっとこっち(俺)を見てる」

(じゃあ)

『ハニエルは赤い唇で愛を囁く』

(あれは全部俺に向かって…)

 五条君がその世界に引きずり込まれていく感が凄い。でもそういう事ができる作者側の力を自分も欲しいと思う五条君。

 う~ん……個人的に不安なのは、作る事に夢中になりすぎて、海夢の気持ちを考えていないなじゃないかって事。人形を作る、は雛人形の頭師になりたい五条君的には分かるんだけど、海夢の為にじゃなくなっているのが良い事なのかどうなのか。

 海夢は本当は棺合わせの後で告白する気だったけど、五条君がハニエル造形したくて全巻買いに行く為にアフターも不参加になってできなかった。この後の冬コミに向けて、五条君は造形に入れ込むんだろうけど、それは海夢の願いと合ってるんだろうか? 人形に夢中になって気持ち悪いと言われた、第一話の思い出のようにならないだろうか? そこが心配で。海夢が気持ち悪いとか言わないと思うけど、自分という人間を見るのでは無く、人形としての綺麗さや造形しか五条君が見てなかったら悲しむんじゃないかって思って。

 西洋の人形を見てそれが「ビスク・ドール」っていう事を知る訳だけど、この漫画のタイトルがそれだからねぇ。「着せ替え人形」のルビは「ビスク・ドール」だから。人形として五条君が色々取り組んで、でもそれは人形じゃなくて人間で、五条君に恋をしていて……ってのが分かった時、五条君はどうするんだろう?と思うとね。続刊が気になるよ。

 と真面目に読んでいて、そこからおまけ2連発で笑ってしまった。まずここで「サバこま」持ってくるかね。癒やされてほっこりしてしまった(笑)。それと後書きね。1週間で208人の声優の声を聞いて候補を選ばされる作者……そりゃ殺意湧くわ(笑)。